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膜タンパク質の抽出効率を大幅に向上した、次世代のRIPAバッファー ULTRARIPA® Kit for Lipid Raft

掲載日情報:2020/06/12 現在Webページ番号:63111

従来の非変性細胞可溶化バッファー(RIPA buffer, 1% Triton X-100など)では可溶化することが困難だった脂質ラフト(Lipid Raft)タンパク質を、迅速かつ効率的に抽出できるバッファーキットです。従来のバッファーでは可溶化できず捨ててしまっていた膜画分から、タンパク質変性作用の低い穏やかな条件で、脂質ラフトのタンパク質を高効率で抽出できるため、脂質ラフトタンパク質の各種機能解析に有用です。

ULTRARIPA<sup>®</sup>Kitでこんなことができます

■脂質ラフトとは

脂質ラフトはコレステロールやスフィンゴ脂質、GPIアンカータンパク質およびパルミトイル化タンパク質が濃縮する細胞膜構造です。これらの構造は、さまざまな機能性タンパク質が集積する細胞膜の機能性ドメインと考えられており、脂質ラフトの機能解明が期待されています。
主な脂質ラフトの例:カベオラ、シナプス(神経細胞)、免疫シナプス(免疫細胞)

脂質ラフトとは

■脂質ラフト解析における問題点は?

脂質ラフトは、タンパク質変性作用が小さい界面活性剤バッファー(1%Triton X-100など)やRIPAバッファーでは可溶化が難しいとされ、Detergent Resistant Membrane (DRM) と呼ばれることもあります。SDSは脂質ラフトを可溶化できますが、変性作用が強力なため、機能解析に使用できません。

脂質ラフト解析における問題点

特長

項目SDSバッファーRIPAバッファーULTRARIPA® Kit
細胞質タンパク質抽出可能だが変性状態非変性状態で抽出可能非変性状態で抽出可能
(Aバッファー可溶性画分)
膜タンパク質(非脂質ラフト)抽出可能だが変性状態非変性状態で抽出可能非変性状態で抽出可能
(Aバッファー可溶性画分)
膜タンパク質(脂質ラフト)抽出可能だが変性状態抽出できない非変性状態で抽出可能
(Bバッファー可溶性画分)
脂質ラフトタンパク質の
免疫沈降実験
変性状態のため実施困難抽出できないため実施困難非変性状態のため実施可能
脂質ラフトタンパク質の
酵素活性アッセイ
変性状態のため実施困難抽出できないため実施困難非変性状態のため実施可能
  • 簡単な操作で迅速に脂質ラフトタンパク質を抽出できます。
  • 2種類のバッファー(A buffer、B buffer)を用いて2段階の抽出を行います。まず細胞質タンパク質と非脂質ラフトタンパク質を抽出し、続いて脂質ラフトのタンパク質を抽出します。
  • いずれのバッファーもタンパク質変性作用が低く、タンパク質の機能解析に使用可能です。
  • A bufferは一般的なRIPAバッファーと同様の組成です。B bufferには界面活性剤が含まれていますが、透析により除去することが可能です。
  • 哺乳動物細胞/組織に最適化されています。
  • 本製品で調製した溶解液は、酵素活性アッセイ、免疫沈降(Immunoprecipitation)、タンパク質定量(BCAアッセイ、B bufferにて溶解)、SDS-PAGE、ウエスタンブロットなどに適用可能です。

1% NP-40 Alternative、0.1% SDS、50 mM Tris-HCl (pH8.0)、150 mM NaCl、0.5% Sodium Deoxycholate

ULTRARIPA Kit アプリケーションデータのページへ移動 ULTRARIPA Kit FAQのページへ移動

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操作方法概略

画像をクリックすると拡大されます。

脂質ラフト(Lipid Raft)タンパク質を非変性状態で効率的に抽出できる ULTRARIPA Kit for Lipid Raft
  1. 組織片または培養細胞をA bufferで溶解する。
    可溶化効率を高め、また核のコンタミを防ぐため、ホモジナイザーや超音波破砕装置の使用を推奨しています。
  2. 遠心分離を行い、A buffer可溶性画分(上清)と不溶性画分(沈殿)に分離し、それぞれ回収する。上清のA buffer可溶性画分には主に細胞質タンパク質や非脂質ラフトタンパク質が含まれている。
  3. 沈殿のA buffer不溶性画分にB bufferを添加し、よく懸濁する。
  4. 遠心分離を行い、2. と同様に可溶性画分(上清)と不溶性画分(沈殿)に分離し、それぞれ回収する。上清のB buffer可溶性画分には脂質ラフトタンパク質が含まれている。
  5. 各種実験に使用する。

A bufferおよびB bufferはBradford法でのタンパク質定量には使用できません。B bufferで溶解したタンパク質の定量にはBCAアッセイをご使用下さい。

本製品はA bufferとB bufferを使用した2段階抽出を行うよう最適化してありますが、細胞をB bufferのみで溶解・抽出した例もあります。詳しくはアプリケーションデータをご覧ください。

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使用例

ULTRARIPA Kitの使用例

クリックすると上記イラストが拡大します。

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キット内容

  • A buffer (RIPA buffer) (100 ml)
  • B buffer (10 ml)
ULTRARIPA Kit のキット内容


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BDL社製品のご案内

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価格

[在庫・価格 :2024年04月24日 00時00分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。
詳細 商品名
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  • 法規制等
納期 文献数
ULTRARIPA kit for Lipid Raft
2~3週間 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 0
説明文
RIPAバッファーで可溶化が難しかった脂質ラフトタンパク質を変性作用の少ない温和な条件で可溶化するバッファーキットです。簡便な操作だけで脂質ラフトのタンパク質を高効率かつ非変性で可溶化できるため,可溶化後は各種機能解析に使用できます。
法規制等
保存条件 4℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2023年10月15日号 p.11
ニュース2023年8月合併号 p.40

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ULTRARIPA kit for Lipid Raft

文献数: 0

説明文 RIPAバッファーで可溶化が難しかった脂質ラフトタンパク質を変性作用の少ない温和な条件で可溶化するバッファーキットです。簡便な操作だけで脂質ラフトのタンパク質を高効率かつ非変性で可溶化できるため,可溶化後は各種機能解析に使用できます。
法規制等
保存条件 4℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2023年10月15日号 p.11
ニュース2023年8月合併号 p.40

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reagent@funakoshi.co.jp

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