hTERT-immortalized Primary Cell－Skin Models hTERT不死化細胞株の皮膚モデル

ヒトテロメラーゼ逆転写酵素（hTERT; Human Telomerase Reverse Transcriptase）遺伝子を初代培養細胞に導入して作製した、正常2倍体の染色体を持つ皮膚モデルに使用可能な細胞株です。初代培養細胞の性質に近い状態を保持したまま、安定的に継代が可能です。

※ その他の「hTERT不死化細胞株」については、こちらをご覧下さい。

※ 本製品は研究用です。臨床用途には使用できません。

左：Ker-CT細胞（ATCC^® CRL-4048™）と中央：初代新生児表皮ケラチノサイト（ATCC^® PCS-200-010™）におけるKRT5発現（FITC）の比較。
右：皮膚メラノサイト（ATCC^® CRL-4059™）。核はDAPIで染色した。

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※ 下記価格表中の価格は、国公立機関・大学にご所属の方用です。企業・営利団体にご所属の方はご照会下さい。

※ 企業・営利団体にご所属の方がhTERT不死化細胞株（Skin）をスクリーニング目的でご使用される場合、別途Screening Feeがかかります。
詳しくはATCC^®製品担当(受託・特注品担当）までお問合せ下さい。

皮膚線維芽細胞と共に包埋されたコラーゲン上における、初代ケラチノサイトまたはhTERT不死化細胞株Ker-CTの共培養法の例です。詳細はこちらのAppendix 1をご覧下さい。下記のフライヤー画像をクリックするとPDFファイルをダウンロードできます。

三次元培養でのhTERTケラチノサイトのKer-CT細胞（ATCC^® CRL-4048™）と初代新生児表皮ケラチノサイト（ATCC^® PCS-200-010™）の分化を比較した。
・播種細胞数：2×10⁵
・初代新生児表皮ケラチノサイトの培地：Dermal Cell Basal Medium（ATCC^® PCS-200-030™）とKeratinocyte Growth Kit（ATCC^® PCS-200-040™）
・Ker-CT細胞の培地：Lonza KGM-Gold Kit
・培地EPM1を4日間使用し、その後EPM2で生育した^*。
* Kalabis, J., et al., Nat Protoc., 7(2):235～246(2012). PMID: 22240585

Air-Liquid Interface（ALI）培養によりhTERTケラチノサイトは生体皮膚に似た構造を示した。完全な分化を確認するため、高分化ケラチノサイトを染色する抗Filaggrin抗体、およびすべての表皮細胞を染色する抗KRT14抗体を用いてKer-CT細胞の凍結切片を染色した。Filaggrinは表層に近く、最終分化に近づいている細胞で陽性の増加を示した。また、KRT14は基底および基底上表皮構造全体で免疫反応を示した。

Triton X-100の存在下で三次元器官型の皮膚細胞の培養を行った。MTT Assay (ATCC^® 30-1010K™)で細胞生存率を測定した。

Ker-CT：Ker-CT細胞（ATCC^® CRL-4048™）
Primary：初代新生児表皮ケラチノサイト（ATCC^® PCS-200-010™）

hTERTメラノサイト（ATCC^® CRL-4059™）は、初代メラノサイト（ATCC^® PCS-200-013™）と比較して、細胞分裂回数（PDL）が増えてもメラニンの産生を維持している。

メラノサイト特異的マーカーを維持するhTERTメラノサイト
メラノサイトはメラノソーマル酵素を発現するが、線維芽細胞マーカーを発現しない。初代メラノサイト（ATCC^® PCS-200-013™）とhTERTメラノサイト（ATCC^® CRL-4059™）を4％パラホルムアルデヒドで固定し、抗tyrosinase related protein1(TYRP1)抗体と抗Human fibroblast(TE7)抗体および蛍光標識二次抗体（緑色）で免疫染色した。核はDAPI（青色）で染色した。どちらの細胞もメラノサイトマーカーであるTYRP1のみを発現しており、TE7の発現は見られなかった。
上図：ポジティブマーカーTYRP1による蛍光染色（緑色）と、DAPI染色（青色）との重ね合わせ像。
下図：線維芽細胞マーカーTE7による蛍光染色とDAPI染色（青色）との重ね合わせ像。TE7は染色されなかった。

刺激とメラニンの阻害に対するhTERTメラノサイトの反応
初代メラノサイト（ATCC^® PCS-200-013™）とhTERTメラノサイト（ATCC^® CRL-4059™）を96ウェルプレートに播種し、Latanoprost（A）、Stem cell factor（B）といったメラニン産生刺激物質、およびメラニン産生阻害物質 Hydroquinone（C）で処理した。 その後、細胞を1N NaOHを用いて溶解し、メラニン含有量を吸光度405 nmで測定した。ライセート溶液の総タンパク質量をBCAアッセイで検出し、メラニン含有量を総タンパク質μg当たりで換算した。各処理済み細胞に対する未処理細胞のメラニン含有量を正規化することにより、相対的なメラニン含有量を決定した。
どちらの細胞も、産生刺激物質である Latanoprost（A）と Stem cell factor（B）の添加により、メラニン含有量が増加し、メラニン産生阻害物質 Hydroquinone （C）では濃度依存的にライセート中のメラニン含有量の減少が見られた。

hTERT不死化線維芽細胞 BJ-5ta（ATCC^® CRL-4001™）をラットのコラーゲンマトリックス内に埋め込み、ラフト構造を形成させた。hTERTメラノサイトを含む（左図）、または含まない（右図） hTERT不死化ケラチノサイト Ker-CT（ATCC^® CRL-4048™）を前述のコラーゲンラフトの上部に接合させ、培養を行った。
12日後、培養細胞を4％パラホルムアルデヒドで固定し、パラフィン包埋切片にした。Fontana-Masson Stain Kitを用いて切片中のメラニン（黒色）を染色した。
hTERTメラノサイトを含まない培養では、メラノサイト含有培養細胞のように3種類の細胞の相乗的役割による十分な発達が見られなかった。加えてhTERTメラノサイトを含む皮膚培養細胞は、hTERTメラノサイトを含まないものよりも黒く染色されており、ケラチノサイト内へメラニンの沈着が示された。

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