HOME> 試薬> 細胞培養> 細胞培養一般試薬> 細胞分散用試薬> 組織・培養細胞の剥離/分離/分散溶液 Accutase/Accutase LZ

組織・培養細胞の剥離/分離/分散溶液 Accutase/Accutase LZ

掲載日情報:2020/02/18 現在Webページ番号:2334

Accutase(アキュターゼ)は、接着細胞の剥離や、組織から初代培養細胞を分離、分散させるのに適した調製済み試薬です。ヒトES細胞、ヒト間葉系幹細胞(human mesenchymal stem cell)、ヒト神経幹細胞(human neural stem cell)などにおける使用実績があります。
溶液状でReady-to-useのAccutaseと、凍結乾燥粉末状のAccutase LZがあります。

Accutaseのサンプルをご用意しています。サンプルをご希望の方は当社テクニカルサポート(下記参照)までお問い合わせ下さい。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

Accutase(溶液)

Accutase(溶液)

Accutase LZ(凍結乾燥粉末)

Accutase LZ(凍結乾燥粉末)

Accutaseの使用例

Accutaseの使用例


細胞培養・再生医療研究カタログ発刊のお知らせバナー

Accutaseの特長

  • プロテアーゼ活性とコラゲナーゼ活性が最大限に効果を発揮するように組み合わせてあります。
  • 穏やかかつ迅速に作用するので、高い細胞生存率を示します。
  • 哺乳動物細胞や微生物由来の物質は含んでいません。
  • AccutaseはDulbecco’s PBS(0.5 mM EDTA・4Na、フェノールレッド含有)で調製済みのReady-to-useフォーマットです。
  • Accutase LZは凍結乾燥品で、省スペースで保管できます。蒸留水を加えて溶解し、ろ過滅菌を行って調製します。1バイアルで500 mlのAccutaseが調製できます。調製方法は下記をご覧下さい。
  • 反応停止や中和操作は不要です。
  • Accutaseを用いて剥離、分散させた細胞は、様々なアプリケーションに使用できます。
品名 Accutase Accumax
(関連製品)
製品外観 Accutaseの外観 Accumaxの外観
酵素活性 標準 強め
反応停止、中和操作 不要
動物・微生物由来成分 不含
フェノールレッド 含有 不含

アプリケーション例

  • バイオリアクターによる細胞の大量培養
  • 細胞の継代
  • フローサイトメトリー
  • 細胞表面マーカーの解析
  • 血清飢餓による細胞周期同調
  • がん遺伝子導入による形質転換
  • ウイルス増殖試験
  • 神経冠細胞移動アッセイ
  • 細胞増殖アッセイ
  • 細胞の接触走性アッセイ
  • 腫瘍細胞の遊走アッセイ

使用実績のある細胞

線維芽細胞 ケラチノサイト 血管内皮細胞
血管平滑筋細胞 肝細胞 肝前駆細胞
ヒトES細胞
(human embryonic stem cell)
ヒト間葉系幹細胞
(human mesenchymal stem cell)
ヒト神経幹細胞
(human neural stem cell)
ニワトリ初代培養神経細胞 骨髄幹細胞 マクロファージ
マウス精巣胚細胞 293 3T3
A375 BHK CHO
COS D54 HeLa
HT1080 L929 M24
NT2 MG63 U251
Sf9 Vero

Accutaseによる細胞の剥離

Accutaseによる細胞の剥離
培養用ディッシュを用いてDMEM(10% FBS含有)培地で培養したヒト線維肉腫MG63細胞を、Accutaseを用いて剥離した。Accutase処理時間を変えて細胞を回収して計数を行い、細胞生存性を測定した。Accutaseでの処理により、迅速に細胞剥離が起こり(処理後5分)、単一細胞に分散し、その後の細胞生存性も高いことがわかる。Accutaseは穏やかに作用するため、45分間処理した細胞でも、97±3%と高い生存性を有していた。

Accutaseにより剥離したhES細胞の凍結後の生存性

Accutaseにより剥離したhES細胞の凍結後の生存性
ヒトES細胞を培養後、Accutaseまたはコラゲナーゼで剥離し、凍結保存した。液体窒素中で2か月間保存後に播種し、1日後に全細胞数と生存細胞数を計数した。Accutaseで剥離処理を行った細胞(緑色)の方が、コラゲナーゼで剥離を行った細胞(青色)よりも、凍結保存後の生存細胞数が多いことがわかる。

目次に戻る

Accutaseの操作方法概略

操作はすべて滅菌条件下で行って下さい。

  1. 接着性細胞を培養している容器から、培地を吸引除去する。
  2. 細胞全体を覆う量のAccutaseを添加する。
  3. 約5~10分間静置する。
  4. 顕微鏡下で細胞を観察し、細胞の形態が球状となって軽く浮遊していることを確認したら、容器の縁を何回かタッピングする(または穏やかに数回ピペッティングを行う)。
  5. 細胞数を計数し、継代する。酵素阻害物質の添加や洗浄は不要。

■詳細プロトコル(英語)

目次に戻る

Accutase LZの調製方法概略

  1. 400 mlの室温または冷蔵蒸留水を用意し、500 mlメスシリンダーに入れる。
  2. Accutase LZのバイアルのふたを外し、冷蔵蒸留水40 mlを加える。ふたを閉めて1~2分間ボルテックスまたは転倒撹拌を行い、溶解させる。
  3. ピペットを用いてバイアル中のAccutase溶液をメスシリンダーに移す。
  4. 空になったバイアルに25 mlの冷蔵蒸留水を加え、すすいだ後、同様に溶液をメスシリンダーに移す。これをもう一度繰り返す。
  5. メスシリンダーに冷蔵蒸留水を加え、500 mlまでメスアップする。
  6. パラフィルムなどでメスシリンダーに封をして、転倒撹拌を複数回行い混合する。
  7. 0.22μm のフィルターを用いてろ過滅菌を行う。セルロースメンブレンなど、タンパク質付着性の低いフィルターを用いる。
  8. 調製したAccutase溶液は、冷蔵(2~8℃)で約2か月保存可能。

目次に戻る

Accutase / Accumax 使用文献リスト

目次に戻る

FAQ

FAQ (クリックで開閉します)

Q-1. どの細胞株にAccutaseを使用できますか?

A-1. Accutaseは穏やかに効率よく剥離させたい接着細胞株にご使用いただける、トリプシン代替品です。細胞全体が浸る十分量のAccutaseを加え、細胞が自然に剥がれるまでお待ち下さい。


Q-2. 非接着細胞塊の分離にAccutaseを使用できますか?

A-2. はい。神経前駆細胞塊や神経幹細胞塊(neurosphere)といった非接着細胞塊の分離にもAccutaseをご使用いただけます。細胞塊が完全に分離しないようでしたら、Accutaseに含まれる酵素を高濃度に調製したAccumaxのご使用をご検討下さい。


Q-3. 凍結したAccutaseは層状になったりして色が一様ではないようですが、正常ですか?

A-3. 凍結した状態や解凍中でも色むらがみられることがありますが、Accutaseの品質に問題はございません。Accutaseを解凍されましたらご使用前にボトルを反転させて混合して下さい。


Q-4. 一部解けてAccutase, Accumaxが納品されました。そのまま使用できますか?

A-4. 氷が残っている状態や冷たい状態で届いたようでしたら大丈夫です。冷蔵庫・冷凍庫に入れて保存していただけます。


Q-5. 説明書を読まずに37℃で解凍してしまいました。そのまま使用できますか?

A-5. 37℃の湯せんで解凍し製品自体の温度が37℃まで上がっていないようでしたら、そのままご使用いただけます。しかし、酵素活性が落ちて細胞剥離・分離に時間がかかってしまう場合がありますので、そのような場合は新しいものに替えていただくことをおすすめします。なお、AccutaseやAccumaxは37℃で1時間以上おいてしまうと活性が失われてしまいます。


Q-6. 酵素安定性について

A-6. 37℃では一時間で失活します。15℃では1-2日間、4℃では数か月は活性が保持されます。


Q-7. Accutaseのフェノールレッドはフローサイトメトリーに影響しますか?

A-7. 蛍光物質の方が明るいので影響しません。


Q-8. エンドトキシンのレベルは?

A-8. Endotoxins, USP <85> の基準を満たしています。
Endotoxins, USP <85> <1 EU/ml <0.03


Q-9. Accumaxを処理後にDNAの抽出は出来ますか?

A-9. DNase活性が低いたため、問題ありません。


Q-10. AccutaseとAccutaseの有効期限は?

A-10. 冷蔵で2か月、冷凍で2年間です。


Q-11. アニマルフリーですか?

A-11. 哺乳動物およびバクテリアフリーです。


Q-12. 哺乳動物由来の成分を含みますか?

A-12. 海洋生物由来です。哺乳動物由来の成分は使用されていません


Q-13. AccumaxとAccutaseの違いは何ですか?

A-13. AccumaxはAccutaseの3倍の酵素量であり、組織の分離に適しています。Accutaseは通常の細胞継代向けの製品です。


Q-14. 解凍したAccutaseやAccumaxは分注して冷凍保存しないといけないのですか?

A-14. いいえ、一度解凍されましたら冷蔵保存で約2ヵ月保存していただけます。


Q-15. Accutaseを加える前に細胞を洗浄する必要はありますか?

A-15. いいえ、培地を除去しましたら細胞が覆われるくらいの十分量のAccutaseを加えていただき、細胞が剥がれてくるのをお待ち下さい。


Q-16. Accutaseの使用後、血清による反応停止や中和操作は必要ですか?

A-16. 通常は不要です。PBSや培地でAccutaseの濃度を薄めるだけで細胞分離作用は停止します。酵素の不活性化が必要となる場合には、ダイズトリプシン阻害因子などのトリプシン阻害物質をご使用いただけます。


Q-17. 使用後Accutaseを洗い流す必要はありますか?

A-17. 不要です。使用後Accutaseを洗い流す必要がないことはAccutaseの特長の1つです。


Q-18. Accutaseは使用前に希釈する必要はありますか?

A-18. いいえ、Accutaseは便利な希釈調製済試薬ですので、希釈せずにそのままご使用いただけます。


Q-19. 細胞をAccutaseに浸して、どれくらい待てばいいですか?

A-19. Accutaseの細胞剥離にはトリプシンと同じくらいの時間を要しますが、所要時間は実験的に(経験則で)検討されることをおすすめいたします。通常、トリプシンよりかなり長い間Accutaseに浸していても、細胞はダメージを受けません。


Q-20. Accutaseは何から作られているのですか?

A-20. Accutaseはタンパク質分解およびコラーゲン分解作用を持った天然の酵素の混合物であり、哺乳類動物やバクテリア由来のものを含んでおりません。トリプシンとコラゲナーゼと同じ働きをしますが、それらよりずっと低毒性です。


Q-21. AccutaseとAccumaxの違いはなんですか?

A-21. AccumaxにはAccutaseと同じく、タンパク質分解酵素とコラーゲン分解酵素を含んでいますが、高濃度であり、また、フェノールレッド不含です。


Q-22. Accutaseの処理過多による細胞の影響はありますか?

A-22. いいえ、ありません。ただし、Accutaseは細胞に対して穏やかに作用しますが、ご使用される細胞や実験用途に応じたAccutase処理時間を最適化されることをおすすめいたします。



目次に戻る

Accutaseの使用動画

Semper Lenis "Always Gentle" reattachment of neuronal stem cells passaged with Accutase.



目次に戻る

Accutaseの価格

[在庫・価格 :2024年03月29日 00時00分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。
詳細 商品名
  • 商品コード
  • メーカー
  • 包装
  • 価格
  • 在庫
  • 法規制等
納期 文献数
Accutase
2週間程度 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 280
説明文
組織および培養細胞分離分散溶液。接着細胞の剥離や,組織からの初代培養用細胞を分離,分散させるのに用いる。調製済み溶液。
別包装品 別包装品あり
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2023年2月15日号 p.19
ニュース2020年10月15日号 p.9

製品記事 PSdif-BA Brown Adipocyte Differentiation Kit
StemXVivo Endoderm / Ectoderm / Mesoderm Kit
PSdif-Cardio Cardiomyocyte Differentiation Kit
三次元培養(3D culture)製品特集
多能性幹細胞の剥離 - 幹細胞(Stem Cell)特集
細胞培養汎用品特集
関連記事 細胞数の測定方法 [ 参考資料 ]
Accutase
2週間程度 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 264
説明文
組織および培養細胞分離分散溶液。接着細胞の剥離や,組織からの初代培養用細胞を分離,分散させるのに用いる。調製済み溶液。
別包装品 別包装品あり
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ 再生医療研究細胞培養カタログ2017-2018 p.68
ニュース2020年4月1日号 p.4
ニュース2020年3月1日号 p.23

製品記事 三次元培養(3D culture)製品特集
多能性幹細胞の剥離 - 幹細胞(Stem Cell)特集
細胞培養汎用品特集
関連記事 細胞数の測定方法 [ 参考資料 ]
AccutaseLZ-Lyophilized Accutase (500ml)
2週間程度 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 0
説明文
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2020年3月1日号 p.23

製品記事 三次元培養(3D culture)製品特集
多能性幹細胞の剥離 - 幹細胞(Stem Cell)特集
細胞培養汎用品特集
関連記事 細胞数の測定方法 [ 参考資料 ]

[在庫・価格 :2024年03月29日 00時00分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。

Accutase

文献数: 280

説明文 組織および培養細胞分離分散溶液。接着細胞の剥離や,組織からの初代培養用細胞を分離,分散させるのに用いる。調製済み溶液。
別包装品 別包装品あり
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2023年2月15日号 p.19
ニュース2020年10月15日号 p.9

製品記事 PSdif-BA Brown Adipocyte Differentiation Kit
StemXVivo Endoderm / Ectoderm / Mesoderm Kit
PSdif-Cardio Cardiomyocyte Differentiation Kit
三次元培養(3D culture)製品特集
多能性幹細胞の剥離 - 幹細胞(Stem Cell)特集
細胞培養汎用品特集
関連記事 細胞数の測定方法 [ 参考資料 ]

Accutase

文献数: 264

説明文 組織および培養細胞分離分散溶液。接着細胞の剥離や,組織からの初代培養用細胞を分離,分散させるのに用いる。調製済み溶液。
別包装品 別包装品あり
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ 再生医療研究細胞培養カタログ2017-2018 p.68
ニュース2020年4月1日号 p.4
ニュース2020年3月1日号 p.23

製品記事 三次元培養(3D culture)製品特集
多能性幹細胞の剥離 - 幹細胞(Stem Cell)特集
細胞培養汎用品特集
関連記事 細胞数の測定方法 [ 参考資料 ]

AccutaseLZ-Lyophilized Accutase (500ml)

文献数: 0

説明文
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2020年3月1日号 p.23

製品記事 三次元培養(3D culture)製品特集
多能性幹細胞の剥離 - 幹細胞(Stem Cell)特集
細胞培養汎用品特集
関連記事 細胞数の測定方法 [ 参考資料 ]


目次に戻る

関連製品:細胞計算盤

微細金型加工技術を応用した、高精度なディスポーザブル細胞計算盤です。1枚の計算盤で4種類の試料を計測できるため(1試料当たり68円以下)、コストパフォーマンスに優れた製品です。

1試料当たり68円以下のディスポーザブル細胞計算盤 Disposable Hemocytometer Thermoprobeバナー

目次に戻る

おすすめ製品記事

お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。