マレイミド修飾ポリマーと,チオール基を有するクロスリンカーの重合反応を利用した生体模倣ハイドロゲルです。必要な試薬を混合するだけで,急速にゲル化します。三次元培養条件下での細胞の表現型やサイトカインの影響を調べる実験などに適しています。ポリマーおよびクロスリンカーはそれぞれ2種類あり,用途に応じて組み合わせたものを選択できます。
- マレイミド修飾ポリマーとして,ポリビニルアルコール(Polyvinyl Alcohol:PVA)と,デキストランの2種類があります。PVAベースのハイドロゲルは安定で重合後に分解できませんが,デキストランベースのハイドロゲルは付属のデキストラナーゼを用いて分解できます。培養後に細胞を回収したい場合(抗体を用いた免疫染色など)に適しています。
- クロスリンカーとして,ポリエチレングリコール(Polyethylene Glycol:PEG)-Linkと,PEGにMMP切断ペプチドを付加したCD-Linkの2種類があります。CD-Linkにより重合したハイドロゲルは,細胞が産生するMMPによって分解するため,三次元培養における細胞移動,伸長,浸潤などの解析に適しています。
- ポリマーとクロスリンカーの濃度を変更することでゲルの硬さを簡単に調節できます。また,ペプチドやタンパク質の添加も可能です。
- N末端にシステイン残基を持つペプチドを用いて,共有結合によりゲルを修飾することもできます*1。
- ゲル内の細胞は,光学顕微鏡や位相差顕微鏡,共焦点レーザー顕微鏡,蛍光顕微鏡などで観察できます。
- ゲルは低分子を透過するため,二次元培養で用いられている,細胞固定法や標識法を使用できます*2。
- ポリマーとクロスリンカーは細胞と結合せず,また細胞の増殖も阻害しません。
- MDCK, HeLa, T47D, NIH3T3など,多くの細胞種で使用できます。
- 各種ポリマーおよびクロスリンカーは,個別にご購入可能です。
*1共有結合の形成に必要な修飾条件については,当社テクニカルサポート(試薬担当)までお問い合わせ下さい。
*2抗体などの高分子は,ゲルを透過できないため使用できません。
ポリマーとクロスリンカーの組み合わせ 

- Maleimide-polymer,Conjugation buffer,水(Cell biology grade),修飾用ペプチドを混合し,インキュベートする。
- 1. の混合液に培養細胞を添加後,培養プレート上でThiol crosslinkerと混合,ピペッティングする。
- ゲル化を確認後,ゲルを完全に覆うように培養液を添加し,培養する。

修飾ペプチドを用いたハイドロゲル形成のイメージ図

クロスリンカーの種類による3-D Life PVA Hydrogelの重合の違い。PEG-Linkで重合したハイドロゲルは安定で分解することなく,細胞は移動できない(左)。MMP切断ペプチドを持つCD-Linkで重合したハイドロゲルは,細胞が産生するMMPにより分解され,網目構造が緩くなるため,ゲル中での細胞移動が可能となる(右)。

2種類のクロスリンカーで重合した3-D Life PVA-PEG Hydrogel中で14日間培養した3T3繊維芽細胞の共焦点レーザー顕微鏡での観察像。アクチン細胞骨格(緑)と細胞核(赤)を染色した。いずれも細胞接着を促進するRGDペプチドを添加してある。PEG-Linkを使用したハイドロゲルでは,細胞の形態は丸いままで局所的に凝集して存在している(左)。CD-Linkを使用した場合,細胞は伸展しゲル内に広く存在している(右)。

修飾ペプチドを用いたハイドロゲル形成のイメージ図
3-D Life PVA-PEG Hydrogel中で9日間培養したMDCK細胞の共焦点レーザー顕微鏡での観察像。アクチン細胞骨格(赤)と細胞核(緑)を染色した。細胞接着を促進するRGDペプチドを添加したハイドロゲルでは,細胞が極性を持って単層化し,内腔構造を取り囲んで嚢胞を形成している様子が見られる(右)。コントロールとしてThioglycerolを添加したハイドロゲルでは細胞が極性を持たず,凝集して存在している(左)。
| キット内容 | 品名(商品コード) |
| PVA-PEG(#09-G-001) | PVA-CD(#G81-1) | Dextran-PEG(#G90-1) | Dextran-CD(#G91-1) |
| Maleimide-PVA | ● | ● | - | - |
| Maleimide-Dextran | - | - | ● | ● |
| PEG-Link | ● | - | ● | - |
| CD-Link | - | ● | - | ● |
| Dextranase | - | - | ● | ● |
| CB*(pH 5.5/pH 7.2) | ● | ● | ● | ● |
| Thioglycerol | ● | ● | ● | ● |
| Water | ● | ● | ● | ● |
*CB:Conjugation Buffer ■キット別売品 ■修飾用RGDペプチド
3-D Life PVA Hydrogelと共有結合を形成するようにN末端が修飾されたペプチドです。RGD(アルギニン-グリシン-アスパラギン酸)ペプチドは細胞表面のインテグリンに認識され,細胞接着を促進することが知られています。ゲルの調製時に添加することで,ゲルと共有結合を形成します。細胞接着性を有するハイドロゲルが作製できます。
| [掲載日情報:2011/07/07 現在] |
| ● |
お問い合わせ先 |
 |
テクニカルサポート(試薬担当)
[TEL] 03-5684-1620 [FAX] 03-5684-1775
製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。
|
|