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miRNA過剰発現プラスミド microRNA Expression Plasmid

掲載日情報:2023/04/04 現在Webページ番号:8632

60~70 ntのmiRNA前駆体(Pre-miRNA)を含む上下250~300 ntの領域がpCMV-MIRベクターのCMVプロモーターの下流に組み込まれたmiRNA発現プラスミドです。細胞内へトランスフェクション後、CMV発現系によってPri-miRNAを生じ、Pre-miRNAを経て成熟miRNAへプロセッシングされます。細胞内での遺伝子機能解析に有用です。
OriGene社のRNAi研究関連製品のまとめについてはこちらをご覧下さい。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。


miRNAとは

microRNA(miRNA)は19~23塩基の非コードRNAで全生物種に存在します。RISC(RNA Induced Silencing Complex)に取り込まれたmiRNAは、mRNAの相補領域に結合して標的mRNAを分解し、翻訳を制御する重要な役割を担っています。miRNAの産生過程では、初めにRNAポリメラーゼⅡによりポリアデニル化されたキャップ構造を有する転写産物(Primary-miRNA;Pri-miRNA)が生じます。次にPri-miRNAはDroshaで切断されステムループ配列を有するmiRNA前駆体(Pre-miRNA)を生じ、さらにDicerで切断されることにより成熟miRNAが生じます。


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特長

  • miRBase release 13.0に準じ、ゲノムワイドに幅広くmiRNAをカバーしています。
    ヒト:652種類/マウス:486種類
  • GFPをトランスフェクションのレポーターとしてモニタリングできます。
  • ネオマイシン選択マーカーによって安定細胞株を樹立できます。
pCMV-MIRのプラスミドマップ

pCMV-MIRのプラスミドマップ

miRNA前駆体(Pre-miRNA)はSgfⅠ-MluⅠ間にクローニングされている。


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使用例

miR-29B-miRNAの導入例

PC-3M細胞へのmiR-29B発現プラスミドの導入例
PC-3M細胞(ヒト前立腺がん由来)にmiR-29B発現プラスミドを導入(PC-3M miR-29B)したところ、PZ-HPV-7細胞(ヒト前立腺上皮由来)と同程度にmiR-29Bを発現した。


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microRNA Expression PlasmidのFAQ

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Q-1. miRNAクローンには何がクローニングされているのでしょうか?

A-1. OriGene社のmiRNAクローンのインサートは、pri-mir(60~70 nt)とその両側の250~300 ntの隣接のゲノム配列で構成されています。一般に、pri-mirの正しい発現と成熟microRNAへのプロセッシングには、隣接配列が必要です。



Q-2. miRNA発現の確認をどのように行っていますか?

A-2. OriGene社では、トランスフェクションした細胞からsmall RNAを単離し、RT-PCRまたはqPCRを用いてmiRNAの発現レベルを測定しています。



Q-3. miRNAクローンは完全に配列が決まっているのでしょうか?また、その配列情報はどこで見ることができますか?

A-3. はい、配列は完全に決まっています。すべてのmiRNAクローンは、シークエンシングにより、pri-mir配列がmiRBaseの参照配列と一致することを確認しています。
生物学的多型に関して、正確なmiRNAクローンの隣接配列が、NCBIの参照配列と異なる場合がありますが、これはプロセッシングされた成熟miRNAの機能には影響しないはずです。



Q-4. どのようなシークエンシングプライマーを使用すればよいですか?

A-4. VP1.5とXL39が、それぞれインサートの5'末端と3'末端からのシークエンシングに使用できます。これらのプライマーは、miRNAクローンに付属しています。なお、2つのプライマーはTm値が大きく異なるため、通常は、インサートの増幅にはうまく機能しませんのでご注意下さい。

VP1.5:5' GGACTTTCCAAAATGTCG 3' (Tm=51℃)
XL39:5' ATTAGGACAAGGCTGGTGGG 3' (Tm=60℃)



Q-5. トランスフェクション効率はどのように確認すればよいですか?

A-5. OriGene社では、tGFPの発現量でトランスフェクション効率を確認しています。
pCMV-MIRベクターにはIRES-tGFPレポーター遺伝子が含まれており、これはSV40プロモーターによって駆動し、ネオマイシン遺伝子の下流に位置しています。tGFPとpre-mirの発現は、独立した異なるプロモーターから行われ、2つの発現カセット間の干渉を最小限に抑えるように設計されているため、tGFPの発現量はトランスフェクション効率を真に反映しています。



Q-6. miRNA発現プラスミドで安定した細胞株を作れますか?また選択マーカーは何ですか?

A-6. はい、できます。G418選択やGFP発現細胞のソーティングにより、安定細胞株を作成することができます。



Q-7. 1つのプラスミドから1つのmiRNAしか発現しないというのは本当ですか?

A-7. いいえ。約10%のmiRNA遺伝子は、染色体上の近い領域に集まって存在し、同時に発現している可能性があります。OriGene社のmiRNAクローンでは、それらを単離していません。複数のmiRNAを含むmiRNAクローンについては、含まれるmiRNAのリストを掲載しています。



Q-8. miRNAクローンのバリデーションはどのように行われていますか?

A-8. OriGene社のすべてのmiRNAクローンは、pri-mir配列がmiRBaseの参照配列と一致しています。生物学的多型に関して、正確なmiRNAクローンの隣接配列が、NCBIの参照配列と異なる場合があります。



Q-9. miRNA発現プラスミドのコントロールプラスミドは何ですか?また、発現プラスミドに付属していますか?

A-9. pCMV-MIRベクター(#PCMVMIR)です。こちらは、別途ご購入いただく必要があります。





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製品内容

  • miRNA expression plasmidのcDNAクローン10μg(凍結乾燥品)
  • Forward(VP1.5)sequencing primer
  • Reverse(XL39)sequencing primer

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ご注文方法

Searchボックス

  1. OriGene社ホームページにアクセスし、上部にある検索ボックスにご希望の遺伝子のmicroRNAのID No.などを入力して下さい。
  2. 検索結果にあるSKUと書かれたカラムにある#SC4から始まる商品コードをお知らせ下さい。

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使用文献について

OriGene社miRNAの使用文献については、以下の2種類の方法でご確認いただくことができます。
厳選されたOriGene社製品の、代表的な使用文献のみを掲載しています。


① 使用文献一覧

OriGene社miRNAの使用文献一覧はこちらからご確認いただくことができます。


② 各製品の使用文献

OriGene社ホームページのSearchボックスで目的miRNAの検索を行い、検索結果を表示させると、文献掲載実績がある製品の場合、使用文献数が表示されます(下図参照)。
さらに製品名をクリックし、製品詳細のページへ移行すると、文献情報をご確認いただけます。

検索結果に文献が表示される例

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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