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PRMT5およびがん関連研究者は必見!(BPS Bioscience社) PRMT5&がんの最近の研究動向と関連製品・受託サービス

掲載日情報:2021/04/02 現在Webページ番号:67503

PRMT5(Protein arginine methyltransferase 5)およびがんに関する最近の研究動向と、BPS Bioscience社のPRMT5研究用製品および有用なメチルトランスフェラーゼスクリーニング&プロファイリングサービスをご紹介します。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

PRMT5は、ゲノム構成、細胞周期調節および幹細胞分化に関連する重要な調節タンパク質です1。MEP50との活性複合体を形成し、S-adenosylmethoinine(SAM)からヒストンタンパク質、転写因子および他の調節タンパク質にメチル基を転移します。PRMT5活性の調節不全は、リンパ腫、肺がん、乳がんなどの多くのがんや、腎疾患、心臓病、ハンチントン病、アルツハイマー病などの神経学的疾患に関連しています。

EPZ015666結合

基質結合部位へのEPZ015666の結合により、PRMT5/MEP50は阻害される。

EPZ015666阻害曲線

PRMT5 Chemiluminescent Assay Kit(#52073)によるEPZ015666(左図)の阻害曲線

図1. 酵素標的と同じく、主要な課題は、関連タンパク質を阻害しない阻害物質の発見です。単純なSAM類似体は、一般のメチルトランスフェラーゼ阻害物質として機能しますが、特異性はありません。PRMT5の化学プローブEPZ015666の開発は、PRMTの阻害における突破口となりました2。EPZ015666は、ペプチド基質の競合阻害によってPRMT5活性をnMで阻害しますが、他のPRMTに対してはmM濃度まで阻害しません。

PRMT5とがん

近年、タンパク質-基質間の相互作用の直接阻害以外に、関連代謝経路を通してがんを抑制する戦略が検討されています。メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)はメチオニンサルベージ経路の一部としてメチルチオアデノシン(MTA)のリン酸化を触媒します3。MTAPをコードする遺伝子は、腫瘍抑制遺伝子CDKN2Aと密接に関連しています(下図参照)。これらの遺伝子は、chr9p21遺伝子座に位置し、多くの形態のがんと共通のヘテロ接合性を欠失しています。がんにおけるMTAPの役割に対する最近の研究では、主にMTAP欠損細胞の増殖に特に重要な遺伝子を同定するためのshRNAスクリーニングに焦点が当てられています4-6。これらの研究により、MTAP欠損細胞は、SAM生合成経路酵素であるPRMT5およびmethionine adenosyltransferase IIα (MAT2A)に強い依存性を有することが示されています(図2)。

MTA

図2:MTAPの欠損によりMTAの蓄積が起こる

MTAはMTAP欠損細胞に蓄積し、生化学的および構造的研究によりPRMT5のSAM結合部位に対する競合阻害物質であることが示されています(図3)。4-6

PRMT5/MEP50

図3:PRMT5/MEP50は、SAM結合ポケット内のMTAの結合によって阻害される。

これらの研究は、MTAP欠損細胞のPRMT5依存性は、MTAの細胞レベルでの増加によるPRMT5活性の部分的阻害により引き起こされることを示唆しています(図4)。また、これによりMTAP欠損がんにおいてSAM結合を標的とするか、またはMTA:PRMT5複合体を安定化するPRMT阻害物質の開発の可能性が見込まれます。

ヒストンメチル化阻害

図4:MTAはSAM結合部位に競合的に結合し、ヒストンメチル化を阻害する

#52073

PRMT5 Chemiluminescent Assay Kit(#52073)によるMTA(methyl-thioadenosine)の阻害曲線

SAM生合成におけるMAT2Aの役割とMTAP欠損細胞の増殖との関連性においても、PRMT5によるがんの治療の可能性が期待できます。MAT2Aの欠損は、細胞のSAMレベルを低下させ、MTAP欠損細胞におけるPRMT5活性を喪失させることが示されています。これは、MAT2Aを標的とすることがSAM2レベルの低下に有効で、MTAP欠損細胞におけるPRMT5のMTA阻害に適するバランスを導くことを示唆しています(図5)。

MTAP欠損細胞におけるMTA阻害

図5. MTAP欠損細胞におけるPRMT5活性の喪失

MTAP欠損細胞

MTAP(#50305)の酵素活性(左図)とMAT2A Inhibitor Screeniny Assay Kit(#71402)を用いたMAT2A(#71401)酵素活性の測定

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PRMT5関連アッセイキット PRMT5関連組換え体タンパク質
PRMT5関連阻害物質 PRMT5関連受託サービス

参考文献

  1. Stopa, N.,et al., CMLS, 72, 2041~2059. (2015). [PMID:25662273]
  2. Chan-Penebre, et al., Nature Chemical Biology, 11, 432~437 (2015). [PMID:25915199]
  3. Bertino, J. R., et al., Cancer Biology & Therapy, 11, 627~632 (2011). [PMID:25915199]
  4. Kryukov, G. V., et al., Science (New York, N.Y.) , 351, 1214~1218 (2016). [PMID:26912360]
  5. Marjon, K., et al., Cell Reports, 15, 574~587 (2016). [PMID:27068473]
  6. Mavrakis, K. J., et al., Science (New York, N.Y.), 351, 1208~1213 (2016). [PMID:26912361]

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PRMT5関連アッセイキット

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品名・サービス名 商品コード 包装 製品概要
PRMT5 TR-FRET Assay Kit

TR-FRET

52171 384 reactions TR-FRET法により、試料中のPRMT5活性を測定するキット。洗浄工程を要せず、3ステップで測定できる。
測定波長:①励起 317±20 nm/蛍光 620±10 nm、②励起 317±20 nm/蛍光 665±10 nm
PRMT5 Chemiluminescent Assay Kit

TR-FRET

52002L 96 reactions 化学発光法により、3ステップで試料中のPRMT5活性を測定するキット。スクリーニングやプロファイリングに有用。
52073 384 reactions
PRMT5 Homogeneous Assay Kit

TR-FRET

52052 384 reactions AlphaLISAにより3ステップで試料中のPRMT5活性を測定するキット。スクリーニングやプロファイリングに有用。
MAT2A Inhibitor Screening Assay Kit

MAT2A Inhibito

71402 384 reactions MAT2A活性を比色法により測定するキット。スクリーニングやプロファイリングに有用。
測定波長:630 nm


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PRMT5関連組換え体タンパク質

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品名・サービス名 商品コード 包装 製品概要
PRMT5/MEP50, FLAG-tag, His-tag (HEK293-derived)

protein

51045 10/20/80μg 動物種:Human、産生:FreeStyle 293-F cells, M.W.:73 kDa(PRMT5), 37.5 kDa(MEP50)、Genbank #: NM_006109 (PRMT5), NM_024102 (MEP50), UniProt:O14744
PRMT5/MEP50, FLAG-tag, His-tag (Sf9-derived)

protein

51048 10/20/80μg 動物種:Human、産生:Sf9, M.W.:73 kDa(PRMT5), 37.5 kDa(MEP50)、Genbank #: NM_006109 (PRMT5), NM_024102 (MEP50), UniProt:O14744
PRMT5/MEP50, Biotin-Labeled(HEK293-derived)

protein

52102 10/20/80μg 動物種:Human、産生:HEK293, M.W.:73 kDa(PRMT5), 38 kDa(MEP50)、Genbank #: NM_006109 (PRMT5), NM_024102 (MEP50), UniProt:O14744
MAT2A, His-Tag

protein

71401 100μg 動物種:Human、産生:Human, M.W.:45 kDa、Genbank #: NM_005911
MTAP, GST-Tag

protein

50305 25/50/200μg 動物種:Human、産生:E. coli, M.W.:57 kDa、Genbank #: NM_002451、UniProt:Q13126


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PRMT5関連阻害物質

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品名・サービス名 商品コード 包装 製品概要
EPZ015666

阻害物質

79043-1 5 mg 強力かつ選択的にPRMT5拮抗阻害物質 (IC50=22 nM)。PRMT5に対し、他のメチルトランスフェラーゼに対し10,000倍以上の特異性を有する。CAS:1616391-65-1、純度:≧90%、M.W.:383
79043-2 25 mg


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PRMT5スクリーニング&プロファイリング受託サービス

PRMT1、3、4、5、6および9を含むメチルトランスフェラーゼの阻害物質および標的物質を、30種類以上のBPS社のアッセイ全体でスクリーニングできます。

ご注文方法、価格などの詳細につきましては、当社受託・特注品業務担当(Tel. 03-5684-1645、Fax 03-5684-6539、e-mail:jutaku@funakoshi.co.jpまでお気軽にお問い合わせ下さい。



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