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血中脂質のトータルプロファイルが可能 リポタンパク質脂質量解析受託サービス LipoSEARCH

掲載日情報:2020/06/12 現在Webページ番号:654

メンエキセイブツケンキュウジョ /
株式会社免疫生物研究所
[メーカー略称:SLB]

LipoSEARCHは、お客様から提供された試料中のリポタンパク質の主要4画分(カイロミクロン、VLDL、LDL、HDL)に含まれるコレステロールとトリグリセリドの量を測定する受託サービスです。独自のゲルろ過HPLCシステムにより、リポタンパク質の分離から試薬反応を行い、各々を同時測定します。さらに、主要4画分を、粒子サイズを基準に20に分画して詳細に解析することができ、脂質のトータルプロファイルを得られます。

リポタンパク質を測定することの重要性

LDLコレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)の値が増えると、冠動脈疾患などの発症率が増加することから、生活習慣病のリスクマーカーとして健康診断などで検査されています。

LDLコレステロールは悪玉コレステロールといわれており、特にLDLの中でも粒子サイズの小さいsmall LDL中のコレステロールは超悪玉コレステロールと呼ばれています。近年の研究で、small LDLは血管内皮に取り込まれやすく酸化されやすいために、動脈硬化を促進することが分かってきました。動脈硬化は脳卒中や心筋梗塞などを引き起こします。

これからの生活習慣病の予防・早期発見・治療には、LipoSEARCHのような粒子サイズも含めたリポタンパク質の詳細な解析が重要と言われています。

動脈硬化模式図

参考文献

■ LipoSEARCHの測定技術に関する論文
1. Usui, S., et al., J. Lipid Res., 43 (5), 805~814 (2002).
2. Okazaki, M., et al., Arterioscler Thromb. Vasc. Biol., 25 (3), 578~584 (2005).

■ LipoSEARCHを使用した論文
1. Miida, T., et al., Atherosclerosis, Feb 13 (2008).
2. Nakata, S., et al., Circulation, 117 (17), 2211~2223 (2008).
3. Fujita, H., et al., Journal of Perinatology, 28 (5), 335~340 (2008).
4. Fujita, H., et al., Clinica Chimica Acta., 389, 1-2, 93~97 (2008).
5. Hu, W., et al., J. Lipid Res., 49 (2), 38~393 (2008).
6. Sasase, T., et al., Diabetes Res. Clin. Pract., 78 (1), 8~15 (2007).
7. Mastuzawa, N., et al., Hepatology, 46 (5), 1392~1403 (2007).
8. Saiki, O., et al., J. Rheumatol., 34 (10), 1997~2004 (2007).
9. Oku, H., et al., FEBS Lett., 581 (26), 5029~5033 (2007).
10. Li, J., et al., J. Appl. Physiol., 102 (2), 557~563 (2007).


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特長

  • 微量の血清・血漿で分析可能(ヒト45μl、動物35μl)
  • 主要分画のうち従来は分析が困難だったCM、VLDLも定量評価可能
  • 動脈硬化リスクマーカー(動脈硬化惹起性)のリポタンパク質である「small LDL(小型LDL)」等の詳細20分画の分析が可能
  • リポタンパク質「粒子サイズ」「粒子数」の分析が可能
  • ヒト、マウス、ラット、イヌ、ウサギ、サルなどの動物種を問わず分析可能
  • 血液の他、培養上清や脳脊髄液などの低濃度サンプルも分析可能

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適用例

  • コレステロールとトリグリセリドに注目した脂質代謝研究
  • 糖尿病や高脂血症、肥満などの生活習慣病の研究
  • 脂質代謝を改善する薬物や機能性食品の研究
  • マウスなどの小動物による、同一個体の脂質代謝の経時的解析
  • トランスジェニックやノックアウトマウスの表現型解析
  • 細胞培養上清・脳脊髄液など低濃度試料のリポタンパク質測定

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解析例

ヒト健常型

ヒト健常型(赤プロット:コレステロール、青プロット:中性脂肪)
成人男性の1例。


ヒト糖尿病

ヒト糖尿病(赤プロット:コレステロール、青プロット:中性脂肪)
中性脂肪(TG)のVLDLピークが特徴的となっている。リポタンパクリパーゼ(LPL)活性の低下によりTGが代謝されないため、TGリッチリポタンパク質であるVLDLが増加している。


ヒト高脂血症

ヒト高脂血症(赤プロット:コレステロール、青プロット:中性脂肪)
Ⅲ型高脂血症の事例です。VLDL+LDLコレステロールが増加している。


ヒト低HDL血症

ヒト低HDL血症(赤プロット:コレステロール、青プロット:中性脂肪)
HDLのピークがほとんど検出されていない。


マウス野生型

マウス野生型(赤プロット:コレステロール、青プロット:中性脂肪)
HDLにTGがほとんど含まれていない。マウスはCETP活性が非常に弱いためHDL-CからVLDLやLDLへの転送が少ない。


マウスApo Eノックアウト

マウスApo Eノックアウト(赤プロット:コレステロール、青プロット:中性脂肪)
>Apo Eがないため、VLDLレムナントが肝臓に取り込まれず、血中に大量の小型VLDLが残存し、幅の広いVLDL-TCのピークとなっている。


マウスLCAT欠損

マウスLCAT欠損(赤プロット:コレステロール、青プロット:中性脂肪)
レシチンコレステロールアシル転換酵素(LCAT)活性を欠損させたため、遊離コレステロールをエステル化しCEにすることができない。このためHDLも成熟することができず、総コレステロールも低くなっている。


マウスにおけるヒトCETP発現

マウスにおけるヒトCETP発現(赤プロット:コレステロール、青プロット:中性脂肪)
ヒトCETPをマウスに発現させるとVLDLやLDLからTGをもらってHDLTGが出現し、逆にHDL-CはVLDLやLDLに転送されて減少する。


ウサギ野生型

ウサギ野生型(JW)(赤プロット:コレステロール、青プロット:中性脂肪)
LDLやHDLのサイズは、ヒトに非常に似ている。CETP活性が高いため、LDLやHDLのTGの割合がヒトより高値となっている。


マウス野生型

参考:4種モニター(マウス野生型)
コレステロールと中性脂肪以外にフリー・コレステロール(FC)とリン脂質(PL)の測定も可能。試料量は100μl以上必要。


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解析結果の例

測定項目①:20分画数値データ

Peak No.12345678910
Sub-Classlarge
VLDL
medium
VLDL
small
VLDL
large
LDL
medium
LDL
small
LDL
Peak NameVoidLDLp1LDLp2LDLp3
Particle
Diameter(nm)
> 90756453.644.536.831.328.625.523
20分画コレステロール○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl
中性
脂肪
○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl
Peak No.11121314151617181920
Sub-Classvery small
LDL
very large
HDL
large
HDL
medium
HDL
small
HDL
very small
HDL
Peak NameLDLp4LDLp5LDLp6HDLp1HDLp2HDLp3HDLp4HDLp5HDLp6HDLp7
Particle
Diameter(nm)
20.718.616.71513.512.110.99.88.87.6
20分画コレステロール○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl
中性
脂肪
○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl○○mg/dl

測定項目②:4分画数値データ

CM(>80 nm)VLDL(30~75 nm)LDL(16~30 nm)HDL(8~16 nm)
4分画コレステロール○○ mg/dl○○ mg/dl○○ mg/dl○○ mg/dl
中性脂肪○○ mg/dl○○ mg/dl○○ mg/dl○○ mg/dl

測定項目③:4分画波形グラフ

4分画波形グラフ

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LipoSEARCH応用事例のご紹介

LipoSEARCHの550報を超える学術論文への掲載実績の中から、それぞれのリポタンパク質を標的とした研究論文をご紹介しています。画像をクリックすると、PDFでご覧になれます(各2ページ)。

LipoSEARCHカイロミクロン評価
LipoSEARCH_HDL評価
LipoSEARCH_LDL評価
LipoSEARCH_VLDL評価

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ご用意いただくもの

  • 血清/血漿の場合
    ヒト:45μl/試料 以上
    動物:35μl/試料 以上
    採血後1週間以内に冷蔵でお送り下さい。
  • 細胞培養上清、脳脊髄液、その他の試料の場合
    お問い合わせ下さい。

試料量が足りない場合は事前にご相談下さい。
凍結試料、抗凝固剤を使用した試料での解析を希望される場合は、ご相談下さい。

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解析項目

詳細20画分
Cho
詳細20画分
TG
主要4画分
Cho
主要4画分
TG
クロマトグラム
(波形データ)
リポタンパク質
粒子サイズデータ
遊離グリセロール
LipoSEARCH
基本項目
××
LipoSEARCH
オプションパック
LipoSEARCH Light
基本項目
××××
LipoSEARCH Light
オプションパック
××

Cho:コレステロール、TG:トリグリセリド


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LipoSEARCH 解析料金(税別単価)

基本単価(税別)
大学・官公庁企業・営利団体
LipoSEARCH基本項目¥10,000¥14,000
LipoSEARCHオプションパック¥13,000¥17,000
LipoSEARCH Light基本項目¥7,500¥11,500
LipoSEARCH Lightオプションパック¥10,500¥14,500

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オプション測定

オプション項目内 容価 格
大学・官公庁 企業・営利団体
リポタンパク質
粒子サイズ解析*2
試料中のLDLやHDLの平均粒子サイズの数値データをご提供します。小型LDLなど、リポタンパク質の「質の変化」の評価に活用可能な、独自データです(各分画の波形のピークトップのサイズです。波 形によってはピークトップが確認出来ない場合もございます)。¥3,000¥3,000
リポタンパク質
粒子数(PN)解析*2
LipoSEARCHの詳細20分画データから、20分画中に含まれる粒子数(単位:nM)を解析します。¥5,000¥5,000
遊離グリセロール*2HPLCにより分離される遊離グリセロールを定量化し、数値データをご提供します。中性脂肪値のより正確な評価に。¥2,000¥2,000
raw データ*2クロマトグラムのrawデータをご提供します。論文やレポートの図表作成に。¥1,000¥1,000
「Lipo CULTURE」
細胞培養上清
リポタンパク質解析
HepG2等の細胞培養上清中のリポタンパク質をLipoSEARCHで解析します。候補物質・素材の脂質合成・分泌能のスクリーニングに(項目:コレステロール、トリグリセリド)。¥18,000~¥18,000~

*2 LipoSEARCHで測定していれば、後日データ再解析で提供可能な項目。

リポタンパク質脂質量解析受託サービスLipoSEARCHのオプションサービスはこちら


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ご注文方法

専用依頼書に必要事項をご記入の上、当社受託・特注品業務担当までemailまたはFaxでお送り下さい。
試料調製、保管、送付先についてはこちらをご参照下さい。
詳細はお問い合わせ下さい。


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LipoSEARCHに関するFAQ

LipoSEARCHに関するFAQ (クリックで展開します)

A-1. 血清、血漿が測定可能です。培養上清や脳脊髄液は事前に濃度など試料の条件確認が必要になりますので別途、ご相談下さい。

Q-2. どんな項目が測定出来ますか?

A-2. コレステロールと中性脂肪以外に、オプションサービスで、フリーコレステロールとリン脂質、各種アポリポタンパク質の他、アディポネクチン、レプチン、インスリンなど、市販キットを使用した測定も承っています。

Q-3. 凍結した試料の測定は出来ますか?

A-3. 凍結した試料でも測定は可能です。ただし、凍結融解の繰り返しはプロファイルに影響します。目安として高TGの試料で1回が限度、その他の試料で1~2回が限度になります。凍結の管理がしっかりしていれば長期の凍結でも問題ありません。

Q-4. どんな動物で測定実績がありますか?

A-4. マウス、ラット、ウサギ、イヌなど各種動物で測定実績があります。

Q-5. 採取した試料は何日ぐらい保存できますか?

A-5. 血清・血漿の場合、4℃で保存した場合は1週間以内が目安です。

Q-6. 報告形式はどのような形になりますか?

A-6. 電子データを電子メールにて送付し、ご報告させていただきます。波形データはPDFファイル、数値データはエクセルファイルでお送りいたします。

Q-7. 結果が出るまでの所要時間はどれぐらいですか?

A-7. 試料到着後、通常5~7営業日で結果をお返しいたします。測定が込み合った場合や祝日・連休などを挟んだ場合には、さらにお時間をいただく可能性があります。

Q-8. 試料の返却はしてもらえますか?

A-8. 試料の返却や保存は行っていませんので予めご了承下さい。

Q-9. 利用実績について教えて下さい。

A-9. 国公立大学・公的研究機関から製薬企業・食品メーカーまで幅広い層の方々にお使いいただいています。研究ではCirculation Researchなどインパクト・ファクターの高いジャーナルへの投稿論文でmaterial & methodとしてお使いいただいています。

Q-10. 信頼性保証基準でデータを取得することは可能でしょうか?

A-10. 大手製薬企業様向けの実績があります。ご相談下さい。

Q-11. 他手法との相関性はありますか?

A-11. 超遠心法との相関があります。詳細はお問い合わせ下さい。


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