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[CRISPR-Cas9]レンチウイルスによりCas9およびguideRNAを発現させるシステム Lentiviral CRISPR / Cas9 System

掲載日情報:2015/05/22 現在Webページ番号:53108

guide RNAによる新技術のゲノム編集ツール CRISPR-Cas9特集
レンチウイルスによりCas9およびguideRNAを発現させるCRISPR / Cas9システムです。
  • パッケージング済みのCas9発現用レンチウイルス
  • Cas9とguide RNAを同時に発現させるレンチウイルスベクター
  • Cas9とguide RNAをそれぞれ発現させるレンチウイルスベクター
の3種類の製品群をラインナップしています。

レンチウイルスベクターのウイルスパッケージングはLentiStarter 2.0 Kit (#LV051A-1)がお勧めです。
System Biosciences社では、本製品以外にも多数のCRISPR/Casシステム製品を取りそろえています。

レンチウイルス発現用CRISPR/Casシステム Lentiviral CRISPR/Cas9 System

レンチウイルス発現用CRISPR / Cas9システム製品ラインナップ

Cas9(野生型または変異型)と、導入した任意のガイドRNAを一つのベクターで発現できるオールインワンシステムと、Cas9とガイドRNAをそれぞれのベクターで発現するシステムがあります。

野生型ヒトCas9(hspCas9 wt)発現用
プロモーター マーカー Cas9発現用
レンチウイルスベクター
Cas9発現用
レンチウイルス粒子
All-in-one
レンチウイルスベクター
シングル CMV Puro CASLV100PA-1 CASLV100VA-1 CASLV300PA-1
MSCV Puro CASLV120PA-1 CASLV120VA-1 CASLV320PA-1
デュアル CMV EF1a copGFP CASLV105PA-1 CASLV105VA-1
MSCV EF1a copGFP CASLV125PA-1 CASLV125VA-1
変異型(D10A)ヒトCas9(hspCas9(D10A)mut、Nickase)発現用
プロモーター マーカー Cas9発現用
レンチウイルスベクター
Cas9発現用
レンチウイルス粒子
All-in-one
レンチウイルスベクター
シングル CMV Puro CASLV200PA-1 CASLV200VA-1 CASLV400PA-1
MSCV Puro CASLV220PA-1 CASLV220VA-1 CASLV420PA-1
デュアル CMV EF1a copGFP CASLV205PA-1 CASLV205VA-1
MSCV EF1a copGFP CASLV225PA-1 CASLV225VA-1
ガイドRNA(gRNA)発現用
プロモーター マーカー gRNA発現用
レンチウイルスベクター
デュアル EF1a H1 Blasticidin R CASLV500PA-B
EF1a H1 copGFP CASLV501PA-G
EF1a H1 RFP CASLV502PA-R
EF1a U6 Blasticidin R CASLV510PA-B
EF1a U6 copGFP CASLV511PA-G
EF1a U6 RFP CASLV512PA-R

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プラスミドマップ

Cas9とguide RNAを同時に発現するAll-in-oneタイプのレンチウイルスベクター

Cas9とguide RNAを同時に発現するAll-in-oneタイプのレンチウイルスベクター

Cas9発現用レンチウイルスベクター

Cas9発現用レンチウイルスベクター

Cas9発現用レンチウイルスベクター(デュアルプロモータータイプ)

Cas9発現用レンチウイルスベクター(デュアルプロモータータイプ)

guide RNA発現用レンチウイルスベクター

guide RNA発現用レンチウイルスベクター

■Cas9 Nuclease(D10A)とは
Cas9の変異体D10Aは、Nickaseとして機能することが報告されています*1。 Cas9(D10A)は、野生型Cas9のようにDNA二本鎖を切断せず、一本鎖のみを切断しニックを入れます。 そのため、二本鎖切断により引き起こされるDNA修復機構NHEJ(非相同末端再結合)が起こらず、望ましくない領域での遺伝子欠失・挿入やオフターゲット効果を抑制することができます*2。 また、最近ではペアのニックにより、細胞株におけるオフターゲット効果を50~1,500倍まで減少できた例が報告されています*3
*1Jinek, M., et al., Science, 17, 337(6096), 816~821 (2012).
*2Cong, L., et al., Science, 15, 339(6121), 819~823 (2013).
*3Ran, F. A., et al., Cell, 12, 154(6), 1380~1389 (2013).

[CRISPR-Cas9] RNAを細胞に導入するCas9-CRISPRシステム PrecisionX Cas9 SmartNuclease RNA System

図:標的部位のアンチセンス鎖に対するguide RNA 1とセンス鎖に対するguide RNA 2を作製し、Cas9(D10A)を用いてペアでニックを入れ、ゲノム編集の効率を向上させる。


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使用例

GFP およびRFP を安定発現するHEK293T 細胞に、MSCV-Cas9-T2A-Puro(#CASLV120VA-1)およびEF1α-Blasticidin-H1-RFP gRNA(#CASLV500PA-B にRFP に対するgRNA 配列を挿入)を導入し、蛍光を観察した。

GFP およびRFP を安定発現するHEK293T 細胞に、MSCV-Cas9-T2A-Puro(#CASLV120VA-1)およびEF1α-Blasticidin-H1-RFP gRNA(#CASLV500PA-B にRFP に対するgRNA 配列を挿入)を導入し、蛍光を観察した。

ヒトiPS 細胞をMSCV-hspCas9-EF1-copGFP レンチウイルス粒子(#CASLV125VA-1) で処理し、6 日間培養後、蛍光を観察した。

ヒトiPS 細胞をMSCV-hspCas9-EF1-copGFP レンチウイルス粒子(#CASLV125VA-1) で処理し、6 日間培養後、蛍光を観察した。

MCF-7 乳がん細胞をCMV-hspCas9-T2A-Puro レンチウイルス粒子(#CASLV100VA-1) で処理し、ピューロマイシンで10 日間培養後、顕微鏡で細胞の増殖を観察した。

MCF-7 乳がん細胞をCMV-hspCas9-T2A-Puro レンチウイルス粒子(#CASLV100VA-1) で処理し、ピューロマイシンで10 日間培養後、顕微鏡で細胞の増殖を観察した。

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FAQ

Q-1. プレートにコロニーがほとんど生えません。

A-1. 以下の改善点が挙げられます。

1) 形質転換効率をが高いコンピテントセルを使用して下さい。
例:形質転換効率> 1 × 109 CFUs/μg of pUC18 plasmid
2) プラスミドが損傷する可能性があるため、保存したプラスミドの凍結融解は行わないで下さい。プラスミドは、1 ~ 2 週間程度の短期間の冷蔵保存、または反応ごとに別チューブに分注し、- 20℃での保存をお勧めします。
上記の方法で解決できない場合は、当社テクニカルサポート(試薬担当)までお問い合わせ下さい。


Q-2. 1 種類の標的配列に対し、何種類のgRNA を設計すれば良いですか?

A-2. 作製したgRNA の切断効率の予測はできないため、最適な結果を得るために、2 種類以上のgRNA コンストラクトの作製をお勧めします。


Q-3. Cas9/Nickase 発現ベクターをパッケージングしたウイルスの力価が非常に低くなってしまいました。

A-3. 以下の点が原因として考えられます。

1) HEK293T 細胞の密度が高すぎる、または低すぎるため、トランスフェクション効率が低くなった可能性があります。トランスフェクションの際に、プレート中の細胞密度が50 ~ 80%になるように調節して下さい。
2) 293T 細胞の品質が悪かったため、偽ウイルス粒子の産生が不十分であった可能性があります。以下の点を参考に、生育条件の最適化を行って下さい。
・増殖培地を再確認して下さい。
・細胞の継代数が20 回以上でないことを確認して下さい。
・細胞がマイコプラズマ感染していないことを確認して下さい。
・ 細胞を増殖させすぎていないか確認して下さい(培養を対数増殖期に維持するため、細胞密度を90%以上にしないようにして下さい)。
3) 偽ウイルス粒子を含む細胞培養上清の回収タイミングが早すぎた、または遅すぎた可能性があります。培養上清は少なくとも2 度回収して下さい(トランスフェクション後48 時間および72 時間の時点)。回収した上清を合わせて、ウイルスの濃縮を行って下さい。PEG 沈殿によるウイルス粒子濃縮用試薬 PEG-it reagent(#LV810A-1, #LV825A-1)の使用をお勧めします。
4) 使用しているCas9/Nickase レンチベクターが、パッケージング効率の限界に近づいている可能性があります。
レンチウイルスシステムにおけるパッケージングでは、レンチベクターの5'LTR-3'LTR 間は8.5 kb までが限界です(Cas9/Nickase ベクターは8 kb までが限界)。cDNA インサートのサイズが2 kb 以上になると、パッケージング効率は著しく低下します(Cas9/Nickase ベクターでは、4 kb までのインサートサイズをパッケージング可能)。3 kb を組み込んだ場合は、1 kb の場合に比べ、パッケージング効率が1/10 以下になることがあります。これを回避するためには、パッケージングする細胞のプレート数を増やして、十分量のCas9/nickase ウイルスを得られるようにして下さい。


Q-4. Cas9/Nickase 安定発現細胞株を樹立し、gRNA をパッケージングさせたウイルス粒子を作製し、標的細胞に感染させましたが活性がありません。

A-4. 下記のような原因が考えられます。

1) 標的細胞での形質導入効率が低かった可能性があります。特定の細胞(初代細胞、幹細胞、浮遊細胞など)においては、形質導入は必ずしも高効率ではありません。そのような場合は、30 ~ 50の高い感染多重度(MOI)での感染や、Spin-Inoculation による強制的ウイルス感染をお勧めします。またT 細胞などの細胞型では、効率的な形質導入のために、G0 期から人工的に刺激を与える必要がある場合もあります。
2) gRNA のデザインにミスがあった可能性があります。設計上の規則に従って正確にオリゴDNA を合成したかどうか再確認して下さい。
3) 標的DNA 配列に変異の可能性があります。
標的DNA 配列に変異があった場合、gRNA 配列の認識に影響を与え、切断の失敗につながります。予め標的DNA 配列の変異の存在を知ることは難しいですが、もし何度も切断が失敗するようであれば、他のgRNA 配列を使用するか、gRNA 設計前に標的ゲノム配列の検証が必要です。
4) アッセイ前の時間の長さに問題がある可能性があります。DNA 標的の切断に際し、感染後最低でも72 時間経過後にアッセイを始めることを推奨しています。しかし、場合によっては、十分な切断の効果を見るため、感染後7 ~ 10 日間待った方が良いこともあります。



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セーフハーバー(AAVS1)ノックイン用

セーフハーバー(AAVS1)に対するガイドRNA、hspCas9(野生型)、Puromycin耐性遺伝子が組み込み済みのレンチウイルスベクター/レンチウイルス粒子です。

レンチウイルスによりCas9 およびガイドRNA(tracrRNA)を発現させるシステムです。

[在庫・価格 :2024年04月20日 19時35分現在]

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CMV-hspCas9-T2A-Puro-H1-AAVS1 gRNA SmartNuclease Lentivector Plasmid
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掲載カタログ ニュース2022年9月15日号 p.21
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法規制等 カルタヘナ該当品
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(テクニカルサポート 試薬担当)

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