金ナノ粒子用増感試薬キット GoldEnhance EM Plus / EM / LM / Blots

• 自己核形成は1～2時間後でも最小限に抑えられます。試料が複数の場合、または試料の直接的な操作が制限されている場合（自動処理など) ではより便利です。
• 金の調色などの後処理は不要で、四酸化オスミウム染色前に安全に使用できます。
• 増大した粒子の後方散乱検出が改善されたことにより、SEMにより有用です。
• 粘度が低く、組成を簡単かつ正確に混合することができます。
• GoldEnhanceは中性pHで、銀増感試薬に比べてpH依存性が低く、また試料の保存性を向上させるためにpHを調整することもできます。
• 生理学的緩衝液で使用でき、金は銀のように沈殿を生じません（ただし、最初に水で洗浄することをお勧めします）。

1. 1％酢酸^2-1
2. 1％酢酸の後、写真定着剤（Agefix、Agfa-Gevaert、またはIlfospeed 200、Ilford）^2-1
3. これらを使用して、直接写真を修正する^2-2。
4. 2.5％塩化ナトリウム溶液で軽く洗浄する^2-1。
5. 15～25％チオ硫酸ナトリウム＋15％硫酸ナトリウム水溶液で処理する^2-3。
6. 1％酢酸、酢酸バッファー中で洗浄し、0.05％HAuCl₄で3～10分間調色する。3％チオ硫酸ナトリウム溶液で除去する。ポリアクリルアミドゲル上で実行されたNanogold標識タンパク質は、水で停止した場合とは対照的に、水中の10％グルコースを含む10％ポリアクリルアミドゲル上で実行されたNanogold標識タンパク質は、水で停止した場合とは対照的に、10％グルコースを含む10％酢酸水溶液で増感反応を停止した場合、低バックグラウンドを維持することが示されています^2-4。

Safer, D.らの方法^2-5

• ➊ 増感時間を1分に短縮する。増感時間を短縮しても十分な特異的シグナルが得られる可能性があるため、時間をさらに短縮すると強い特異的シグナルを得ながらバックグラウンドを除去できるる可能性がある。
• ➋ 金増感試薬を混合して分注するときに、Solution B（Aictivator）5に対してSolution A（Enhancer）1の混合比で使用する。Solution Bには溶液中の金の反応性を制御するための金安定化剤が含まれている。Solution Bの量を増やすことで、強い特異的シグナルを得ながらバックグラウンドを抑制することができる。
• ➌ Solution Dを0.05Mリン酸ナトリウムと0.1M塩化ナトリウム、pH5.5で置き換える。これにより、反応混合物のpHが低下する。一般に、自己金属組織学的反応（銀および金の増強）は、pHが低いほどゆっくりと進行する。pHを下げると、金の析出反応が遅くなり、より制御しやすくなる。
• ➍ Solution Dの代用品の塩化ナトリウム濃度を0.5Mに増やす。これにより、バックグラウンドが減少することが時折観察された（おそらく、イオン強度が高くなり、溶液中のイオン相互作用の範囲が狭くなるため）。
• ➎ 抗体を添加する前に、ルゴール溶液（ヨウ素ヨウ化カリウム液）（Sigma: 30秒）で試料を処理し、続いて1％チオ硫酸ナトリウム（30秒）で試料を処理する。この試薬は、光学顕微鏡用の組織スライドから重金属を除去するために使用される。これにより、バックグラウンドの要因の一つが排除される。NanogoldおよびGoldEnhanceを使用したin situハイブリダイゼーションの検出に不可欠となる。in situハイブリダイゼーションの操作では、Nanogold試薬の前に適用されるため、できれば抗体の添加前に試してみることが推奨される。
• ➏ ポリエチレングリコールなどの粘度調整剤を添加する（カーボワックス、または高分子量ポリエチレングリコールの1つを推奨。Solution Dの代替溶液に4％を溶解して、最終混合物を1％とする）。使用前に24時間溶解させる必要があるが、アラビアゴムが入手可能であれば、銀増感溶液に非常に効果的となる（60％溶液を調製し、Solution Dの代替溶液の2倍濃度の等量と混合する）。これらは、銀増感試薬の増感速度を遅くして、反応速度を制御し均一にすることができ、均一な粒子サイズと形態が得られる。
• ➐ 0.1% Tween-20などの少量の界面活性剤を追加する（Solution Dの代替溶液に0.4％を添加して、最終溶液を0.1％とする）。界面活性剤は、ナノ粒子の成長に影響を与えることが知られており、バックグラウンドの沈着を開始したり、溶液から事前に形成された金クラスターの沈着を促進させる疎水性相互作用を打ち消す作用をする。
• ➑ 金増感後、20％イソプロパノール／水中の0.6M重炭酸トリエチルアンモニウムバッファーで洗浄する。このバッファーは、Nanogoldなどの小さな金粒子を溶解するのに非常に効果的であり、粒子状の沈着物の除去に有用となる。脱気水と脱気トリエチルアミンの混合物に、二酸化炭素をバブリングすることによって調製する。2 M保存液での作製を推奨する。水／イソプロパノールで希釈し、20％イソプロパノール／水で0.6Mに調製する。

Dr. Wanzhong Heの方法

1. Solution A（Enhancer）：Solution B（Activator）=1：5の比で使用する。
2. Solution D（Buffer）のかわりに、0.1M塩化ナトリウムを含む0.05Mリン酸ナトリウム（pH5.5）を使用する。
3. 増感を3分ではなく、10～15分間実行する。
4. 3％チオ硫酸ナトリウムを30秒間使用して反応を停止し、次に10％酢酸＋10％グルコースで3×5分間洗浄する。

参考文献

• 2-1：Scopsi, L., "Silver-enhanced colloidal gold method.", Colloidal Gold: Principles, Methods, and Applications, M. A. Hayat (Ed.), Vol.1, p.260, Academic Press, San Diego, CA (1989).
• 2-2：Burry, R. W., "Pre-embedding immunocytochemistry with silver-enhanced small gold particles.", Immunogold silver staining: Principles, methods and applications, M. A. Hayat (Ed.), CRC Press, Boca Raton, FL, p.217-230 (1995).
• 2-3：Danscher, G., "Histochemical demonstration of heavy metals. A revised version of the sulphide silver method suitable for both light and electronmicroscopy.", Histochemistry, 71(1), 1～16 (1981). [PMID：6785259]
• 2-4：Takizawa, T., and Robinson, J. M., "Use of 1.4-nm immunogold particles for immunocytochemistry on ultra-thin cryosections.", J. Histochem. Cytochem., 42, 1615～1623 (1994).
• 2-5：Safer, D., et al., "Undecagold clusters for site-specific labeling of biological macromolecules: simplified preparation and model applications.", J. Inorg. Biochem., 26(2), 77～91 (1986). [PMID：3958709]

1. 増感時間の短縮を検討する。一部のアプリケーションでは、粒子を目的のサイズに増大するのに1～2分で十分な場合がある。
2. Solution D（Buffer）を0.05Mリン酸ナトリウムと0.1M塩化ナトリウムで置き換え、pH5.5に調整する。これにより、反応混合物のpHが低下し、金の析出反応の速度が遅くなる。
3. Solution Dの代用品の塩化ナトリウム濃度を0.5Mに増やす。イオン強度が高いとバックグラウンドが低下し、増感速度を緩和するように作用する可能性がある（溶液中のイオン相互作用の範囲を短くなることによると考えられる）。
4. ポリエチレングリコール（PEG）などの粘度調整剤を追加する。1％カーボワックス（分子量：20,000）などの高分子量の溶液が最適であり、これをSolution Dまたは代替品に4％溶解する。アラビアガムは溶解に時間がかかるため、準備にやや不便だが効果的である。これらは、銀増感試薬の増感を遅らせ、均一な粒子サイズと形態をもたらすために使用され、金増感試薬でも同じ結果が期待できる。
5. 0.1% Tween-20などの少量の界面活性剤を添加する（Solution Dまたは代替物に0.4％追加する）。界面活性剤は、金ナノ粒子の成長を変更することが知られており、金の強化中に増感を抑制する可能性がある。